電気工学
「LEDを5V電源へ直接つないだら、一瞬だけ光って壊れた」という失敗は、電流を制限しなかったために起こります。 LEDは電圧で明るさを決める部品ではなく、電流によって発光量、発熱、寿命が変わる半導体素子です。 小型表示灯には電流制限抵抗を使い、大電…
センサ電圧が基準値を超えた瞬間だけ、確実にON信号へ変換したい場面は多くあります。 コンパレータは2つの電圧を比較して大小を判定しますが、入力範囲や出力方式を誤ると、期待した論理信号になりません。 また、しきい値付近にノイズがあると出力が細かく…
増幅器のゲインが20dB、ケーブル損失が3dBと書かれていても、実際に信号が何倍になるか迷うことがあります。 デシベルは単なる音量の単位ではなく、電力・電圧・音圧などの比を対数で表す共通の尺度です。 倍率をdBへ変換すると、何段も続く増幅と減衰を足し…
複雑な回路で負荷抵抗だけを変えたいのに、毎回すべての枝電流を解き直していないでしょうか。 テブナンの定理を使えば、負荷から見た回路全体を1つの電圧源と1つの直列抵抗へ置き換えられます。 重要なのは、開放端電圧をテブナン電圧とし、独立電源を無効…
「明るさを測るだけなら、どの受光素子を選んでも同じ」と考えていないでしょうか。 実際には、光の強さ、波長、応答速度、ノイズ、回路方式によって、フォトダイオードの選定結果は大きく変わります。 フォトダイオードとは、PN接合やPIN構造に光を入射させ…
抵抗値を正確に測りたいとき、テスターの表示値だけを信じてよいか迷うことがあります。 微小な抵抗変化を扱うセンサ回路では、配線抵抗、計器の入力抵抗、温度変化が測定誤差として効いてきます。 ホイートストンブリッジとは、4つの抵抗を橋形に接続し、中…
2つの電源があるだけで、枝電流の向きが分からなくなることがあります。 そのまま連立方程式を立てても解けますが、回路の見通しを失うと符号ミスや電源の扱いミスが増えます。 重ね合わせの理は、複数電源の影響を1つずつ分解し、同じ場所の電圧や電流を代…
センサの波形に細かなギザギザが乗り、測定値が安定しないことがあります。 そのノイズをソフトで平均する前に、回路側で整える代表的な方法がフィルタ回路です。 フィルタ回路とは、周波数に応じて信号を通す範囲と減衰させる範囲を分ける回路です。 基本は…
「10Aを測りたいだけなのに、なぜ抵抗の発熱まで考えなければならないのか?」 シャント抵抗は電流測定の基本部品ですが、選び方を誤ると測定誤差や発熱、電圧降下が一気に大きくなります。 シャント抵抗とは、測定したい電流を小さな電圧に変換するため、回…
高圧盤の扉に付いた電流計は、なぜ数百Aを小さなメーターで表示できるのでしょうか。 その裏側では、高い電圧や大きな電流を安全な値へ変換する機器が働き、計器や継電器へ信号を渡しています。 受電設備では、測定のしやすさだけでなく、人と計器を高圧回路…
クロックが乱れると、マイコンは命令を正しい順番で処理できず、装置全体が止まってしまうことがあります。 通信のビットずれ、時刻の誤差、音の高さのずれは、発振回路の不安定さから起きることがあります。 発振回路は、外部信号なしで一定周期の電気信号…
「10kΩのサーミスタを付けたのに、温度表示が数℃ずれる」ことは珍しくありません。 サーミスタは安価で高感度ですが、抵抗値、B定数、自己発熱、分圧回路を誤ると温度を正しく読めません。 サーミスタとは、温度変化を抵抗値の変化として取り出す半導体の温…
車のセルモーターが勢いよく回るかどうかは、エンジンより先に電池の状態で決まります。 同じ12V表示でも、内部が劣化したバッテリーは大電流を出せず、始動不良やバックアップ電源の停止につながります。 鉛蓄電池は、鉛と希硫酸の反応を使い、充電して繰り…
電源を入れた瞬間だけ、定格の何倍もの電流が流れることがあります。 機器は正常なのにブレーカーが落ちる、リレー接点が焼ける、電源電圧が一瞬下がるといった不具合の原因になります。 この投入直後の一時的な大電流が、突入電流です。 原因は一つではなく…
「同じ24Vの電源なら、どの電池を選んでも同じ」と考えていないでしょうか。 産業機器では、電池の種類を間違えると、稼働時間だけでなく発熱・寿命・保管リスクまで変わります。 リチウムイオン電池は、高電圧・高エネルギー密度を持つ二次電池です。 一方…
受電盤の力率計が0.8付近を指しているとき、その設備では何が起きているのでしょうか。 モーターは問題なく回っていても、電線や変圧器には余分な電流が流れている可能性があります。 力率計は、この見えにくい無効電力の状態を、ひと目で確認するための計器…
インバータを入れた設備で、ブレーカーが落ちる、進相コンデンサが熱い、周辺機器が誤動作する。 その背景には、高調波や突入電流のように、目に見えない電流の乱れが隠れていることがあります。 リアクトルとは、コイルのインダクタンスを使って電流の急な…
設備のカバーが閉じたか、軸が何回転したか、電流が増えたかを、接触せずに安定して知る方法があります。 磁石とセンサを組み合わせれば、摩耗する接点を使わず、油や粉じんがある場所でも状態を電気信号に変えられます。 この磁気検出の中心にあるのが、磁…
「マイコンの3.3V信号を、200V系の回路へそのままつないでよいのか」と迷う場面があります。 直接つなぐと、ノイズやサージだけでなく、故障時の高電圧まで制御回路へ回り込み基板破損にもつながります。 フォトカプラとは、入力と出力を電気的に切り離した…
センサ出力が数mVしかなく、PLCやマイコンで読み取りにくい場面は珍しくありません。 その小さなアナログ信号を、扱いやすい電圧まで整える中心部品がオペアンプです。 ただし、反転増幅と非反転増幅の違いを曖昧にすると、ゲインだけでなく入力抵抗やノイズ…
電源ラインに一瞬だけ数千Vのサージが入ったとき、ICの耐圧だけで受け止めるのは危険です。 通常時は何もしないのに、過電圧の瞬間だけ電流を逃がす部品が必要になります。 その代表が、電圧で抵抗値が大きく変わる保護素子であるバリスタです。 バリスタは…
「センサがON、かつ非常停止がOFFのときだけ動かす」。 このような条件判断は、工場設備にもマイコンにも必ず登場します。 論理回路とは、0と1の入力を組み合わせ、決められたルールで0か1を出力する回路です。 基本はAND・OR・NOTですが、実際の設計ではNAN…
「5Vのマイコン入力に、12Vが一瞬入ったらどうなるでしょうか。 電源や信号線の電圧は、理想どおりに一定ではなく、負荷変動やノイズでふらつきます。 ツェナーダイオードとは、逆方向の降伏領域を利用して、一定の電圧を作る半導体素子です。 小さな基準電…
「電気設備の点検でメガーを当てるけれど、絶縁抵抗の数値は何を意味しているのか」 その意味と正しい測り方を整理してくれるのが、本記事のテーマである絶縁抵抗です。 絶縁抵抗は、電気が漏れずにきちんと絶縁されているかを表す指標で、感電や漏電、火災…
「6,600Vの設備に、なぜ10,350Vもの電圧をかけて試験するのか」 この疑問に答えるのが、本記事のテーマである絶縁耐力試験です。 絶縁耐力試験とは、電路や機器の絶縁が規定の高電圧に耐えられることを実際に印加して確かめる試験で、耐圧試験とも呼ばれます…
「洗濯機や電子レンジのアース線、つながないと何が危ないのか」 その意味を整理してくれるのが、本記事のテーマである接地(アース)です。 接地は、電気機器を大地につないで、漏れた電気を安全に逃がす仕組みで、感電や火災を防ぐための基本的な安全対策…
「キュービクルの扉の裏に貼ってある、あの1本線の図面が読めない」 電気設備に関わり始めた人が最初に突き当たる壁、それが本記事のテーマである単線結線図です。 単線結線図とは、三相3線の電路をあえて1本の線で描き、受電から配電までの設備構成を一望で…
「冬のドアノブでパチッとくる、あの静電気が、工場では製品不良や火災の原因になる」 その対策を体系的に解説するのが、本記事のテーマである静電気対策です。 静電気放電(ESD)は、電子部品を壊し、可燃性の蒸気や粉じんに着火し、生産ラインのトラブルを…
「工場のLED化で、何台の照明をどう配置すれば必要な明るさになるのか分からない」 この問いに数式で答えるのが、本記事のテーマである照度計算です。 照度計算とは、部屋の広さ・照明器具の光束・取り付け高さなどから、作業面の明るさ(照度)や必要な灯数…
「進相コンデンサがうなる」「リアクトルが異常に熱い」「原因不明の機器誤動作が続く」 こうした症状の裏に潜んでいることが多いのが、本記事のテーマである高調波です。 高調波とは、基本となる50Hzや60Hzの整数倍の周波数をもつ成分のことで、電圧や電流…