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【2水準系直交配列表実験】線点図を使って要因を割り付ける《初級編》

 

[例題4.2:パネルの反りに関する直交配列表実験の計画]-p58

コンクリート整壁用パネルの製造を行なっている工程では、反りが大きく問題となっている。反りを小さくするための製造条件を探すために、以下の因子と水準を取り上げて実験した。まず、因子は次の8つである。

成型圧力(因子A)、成型時間(因子B)、乾燥温度(因子C)、乾燥時間(因子D)、熱処理温度(因子F)、熱処理時間(因子G)、冷却温度(因子H)、冷却時間(因子I)

また、知りたい交互作用は次の6つである。

AxB、AxC、AxD、AxF、BxC、FxG

なるべく実験回数が少なくなるように、直交配列表を使って計画したい。

 

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◆STEP1:直交配列表の大きさの選択

知りたい要因の自由度の合計から、使用する直交配列表を決める。

まず、今回は2水準系なので単独の因子による主効果の自由度は(2-1)=1であり、因子はA~Iの8つあるので1x8=8となる。

次に交互作用の自由度については、水準数が2同士の因子による交互作用なので(2-1)x(2-1)=1となる。検討したい交互作用は今回6つなので、1x6=6となる。

よって、知りたい要因の自由度の合計は14となる。

 

よって、これより多くの列を持つ直交配列表を使う。

  L_8 (2^7) では足りないので、 L_{16} (2^{15}) を使う。 L_{16} (2^{15}) は15列ある(=自由度が15)ので、今回必要な14列を割り付けても1列が余る。その余った1列を「誤差列(記号:e)」として設定する。

 

◆STEP2:必要な線点図の作成

知りたい要因を線点図で表現する。割り付けを簡単にするため、用意されている線点図をベースにして修正が必要な部分のみ変えると良い。

用意されている線点図と完全に一致するのは非常に稀であり、一般的には線や点を外して解析対象に沿った線点図に合わせる。

コツとしては、書く順番は、交互作用を求めることが必要な因子から書いていく。

 

今回必要な線点図は、以下のようなものとなる。

(ipadに手書きしたもので見にくいのはご容赦ください)

必要な6つの交互作用から先に書き出した。交互作用を黄色のマーカーで示している。端に書いている因子H、I、eは交互作用を検討しないので、どこでも良い。

f:id:yuinomi:20201108084614p:plain

用意されている線点図の中から、必要な線点図として先ほど書いたものに最も近いものはこれだ。

f:id:yuinomi:20201107130122p:plain

上記の形状を参考にすると、緑色のマーカーで示した破線部の計3要因分が余っているので、そこにH、I、eを適当に割り付ければ良い。(この3つはどこでも良い)

f:id:yuinomi:20201108084959p:plain

 

割り付けをした結果が以下である。黒字で要因、青字で直交配列表の列番号を記入している。オレンジ線は、用意された線点図に合わせるために配置した箇所で、たとえば要因Hのところは、AxGの交互作用が表れるのではなく、要因Hの主効果が表れる。

f:id:yuinomi:20201108085148p:plain

これで線点図を用いた直交配列表への割り付けは完成となる。