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実験計画法における『乱塊法』とは:実験環境を揃えるためのブロック因子

実験計画法における「乱塊法」とは

実験全体をいくつかのブロック(塊)に分けて、塊の中で実験順序をランダムに決める方法のこと。ブロックとして区分けするのに使われるのがブロック因子で、一般的には実験日、作業者、ロットなどが用いられる。実験環境を揃えるためのものである。

因子による効果の他にブロックの違いによる効果も推定することができる。

実験の場の違いによって、結果が変化してしまうような場合に有効な実験手法。

 

乱塊法はブロック因子を取り入れた局所管理で、系統誤差を小さくすることが目的とする。一般的にブロック因子として設定されるものとしては、材料ロット、実験日(気温や湿度の影響がある場合等)、作業者などがある。

 

具体的な例で「乱塊法」がどのように使われるか確認する

例えば、収量の多い麦の種子を選択する実験を行うとする。

種子の種類は  A_1 、  A_2 、  A_3 の3水準があり、繰り返しを4回実施する。一元配置実験などの完全ランダマイズ実験では、畑を12箇所に分割し、ランダムに種子を蒔いて実験する。

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  A_1 ~  A_3 の種子をどの場所に蒔くかを乱数を用いて無作為に決めた例。

 

例えばこの時、畑の左側は相対的に地力が高く、右側は相対的に地力が低いとすると、  A_2 の種子は、地力の高い場所で4回中2回を実施しているので、比較的に収量は多めとなる。

一方、  A_3 は4回中2回を地力の低い場所で実施しているので、比較的に収量は少なめとなることが予想される。

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実験で確認したい種子による効果は、地力が影響することで検出しづらくなる。

 

そこで、地力の違いを考慮して種子の偏りのない比較を行うためには、次のように地力の高い畑でも、低い畑でも比較したい  A_1 、  A_2 、  A_3 をそれぞれ蒔いて実験すれば良いことになる。

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畑を地力が比較的均一ないくつかのブロックに層別し、層別された1つのブロックをさらに比較したい種子の数に分割し、種子  A_1 、  A_2 、  A_3 をランダムな順で蒔く時、このような実験の方法を「乱塊法」(Randomized Block Design)という。

 

乱塊法での実験データの解析では、ブロックも因子として解析する必要がある。

畑の地力の違いを無視して、単純な繰り返しとして解析すると、地力の違いが誤差に入り込み、誤差が大きくなってしまう。

 

制御因子とブロック因子

制御因子・・・実験での評価対象の因子。いくつかの水準を設定して実験し、最適な水準を選択することが目的の因子であり、水準に再現性がある。

ブロック因子・・・水準に再現性がなく、制御できない因子。実験の場が大きく異なる場合に、その影響を誤差から取り除いて実験の精度を良くすることを目的として取り上げる因子。