
金属の棒を引っ張ると伸び、力を抜けば元に戻る。
この「元に戻ろうとする性質」を数値化したものが弾性係数です。
弾性係数は材料の剛性を定量的に評価する指標であり、機械設計や構造設計のあらゆる場面で欠かせない基本的な物性値です。
しかし弾性係数には縦弾性係数(ヤング率)・横弾性係数(せん断弾性係数)・体積弾性係数の3種類があり、それぞれ単位はGPaやMPaで表されます。
使いどころを正しく理解しなければ、設計計算で誤った結果を招きかねません。
本記事では弾性係数の基本的な定義から3種類の使い分け、せん断弾性係数の求め方、主要材料の弾性係数一覧表、さらにコンクリートの弾性係数まで体系的に解説します。
- 1. 弾性係数とは
- 2. 弾性係数の3つの種類
- 3. 縦弾性係数(ヤング率)の基礎と計算例
- 4. せん断弾性係数(横弾性係数)の基礎
- 5. 弾性係数の求め方と関係式
- 6. 主要材料の弾性係数一覧
- 7. コンクリートの弾性係数
- 8. 弾性係数を設計に活用するポイント
- まとめ
1. 弾性係数とは

弾性係数とは、材料に外力を加えたときの「変形のしにくさ」を定量的に表す物理量です。
値が大きいほど同じ力に対する変形量が小さく、「剛性が高い」材料であることを意味します。
弾性係数の概念を理解するには、まず弾性変形と塑性変形の違いを押さえる必要があります。
弾性変形とは、外力を取り除くと完全に元の形状に戻る変形のことです。
一方、塑性変形は外力を取り除いても元に戻らない永久的な変形を指します。
ゴムバンドを軽く引っ張って手を離すと元に戻りますが、これが弾性変形の典型例です。
同じゴムバンドでも限界を超えて引っ張ると伸びきって戻らなくなります。
この戻らない変形が塑性変形にあたります。
弾性係数は、材料が弾性変形の範囲にあるときの「応力」と「ひずみ」の比として定義されます。
これはイギリスの物理学者ロバート・フックが17世紀に発見したフックの法則に基づいています。
フックは「ばねの伸びは加えた力に比例する」という法則を発見しましたが、これを材料力学に拡張したものがフックの法則です。
数式で表すと、次のようになります。
ここで、σは応力(単位面積あたりの力)、Eは弾性係数(ヤング率)、εはひずみ(元の長さに対する変形量の比)です。
この式を変形すると、弾性係数は次のように求められます。
つまり弾性係数とは、「単位ひずみあたりに必要な応力」を意味しています。
応力の単位はPa(パスカル)、ひずみは無次元量ですから、弾性係数の単位もPaとなります。
実務ではGPa(ギガパスカル = 10の9乗Pa)やMPa(メガパスカル = 10の6乗Pa)がよく使われます。
弾性係数は材料固有の物性値であり、同じ材料であれば形状や寸法が変わっても基本的に同じ値を示します。
直径10mmの丸棒でも、厚さ1mmの薄板でも、同じ鋼材であればヤング率は約206GPaです。
この「形状に依存しない」という性質が、弾性係数を設計計算で使いやすくしている大きな理由です。
ただし温度が上昇すると原子間の結合力が弱まるため、一般に弾性係数は低下します。
高温環境で使用する部品の設計では、その温度における弾性係数を用いなければ変形量を過小評価してしまう恐れがあります。
たとえば300℃の環境で使われるボイラー部品では、室温のヤング率ではなく300℃時のヤング率を使って計算する必要があります。
弾性係数は応力-ひずみ曲線の傾きとして実験的に求められます。
引張試験において、弾性域(比例限度以下)における応力-ひずみ曲線は直線を描きます。
この直線の傾きがまさに弾性係数(ヤング率)に相当します。
傾きが急な材料ほど弾性係数が大きく、変形しにくい材料ということになります。
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2. 弾性係数の3つの種類

弾性係数には、外力の加わり方によって3つの種類が存在します。
それぞれが材料の異なる変形モードに対応しており、設計計算では場面に応じて適切な弾性係数を選択する必要があります。
縦弾性係数(ヤング率)E
縦弾性係数は、最も基本的で広く使われる弾性係数です。
ヤング率とも呼ばれ、引張または圧縮方向の応力とひずみの比を表します。
19世紀のイギリスの物理学者トーマス・ヤングにちなんで名づけられました。
棒材を引っ張ったときの伸びやすさ、柱を圧縮したときの縮みやすさを定量化する指標です。
梁のたわみ計算や柱の座屈荷重の算出など、構造設計の基本となる物性値です。
鋼材のヤング率は約205〜210GPaであり、この値はSS400やS45CなどSUS304も含めて鋼種によらずほぼ一定です。
アルミニウム合金はその約1/3の68〜72GPaであり、剛性面では鋼より大幅に劣ります。
ヤング率は機械設計で最も頻繁に参照される弾性係数であり、特にたわみ計算においてEI(ヤング率×断面二次モーメント)という形で使われます。
部材の剛性はヤング率だけでなく断面形状にも依存するため、軽量化を図りながら剛性を確保するには、断面形状の工夫が鍵となります。
横弾性係数(せん断弾性係数・剛性率)G
横弾性係数は、せん断弾性係数または剛性率とも呼ばれます。
英語ではShear ModulusまたはModulus of Rigidityと表記されます。
せん断応力とせん断ひずみの比を表し、材料がせん断変形に対してどれだけ抵抗するかを示す指標です。
ここで、τはせん断応力(面に平行に作用する単位面積あたりの力)、γはせん断ひずみ(直角からのずれ角度)です。
軸のねじり計算やボルトのせん断強度計算、歯車の歯面接触解析などで必要となります。
鋼材の横弾性係数は約79〜82GPaであり、ヤング率の約38%に相当します。
せん断弾性係数はヤング率に比べて認知度が低い傾向がありますが、実務では軸のねじり、ボルト締結部、歯車伝動、コイルばねなど多くの場面で必要となる重要な定数です。
特にコイルばねのばね定数計算では、ヤング率ではなくせん断弾性係数を使う点を間違えやすいので注意が必要です。
体積弾性係数 K
体積弾性係数は、均一な圧力(静水圧)を受けたときの体積変化に対する抵抗を表す弾性係数です。
体積弾性率とも呼ばれ、英語ではBulk Modulusと表記されます。
流体力学や高圧環境の設計で重要になります。
日常的な機械設計で使用する頻度は低いですが、油圧システムの設計、地下構造物の解析、超高圧プレスの設計などでは不可欠な物性値です。
鋼の体積弾性係数は約170GPa、水は約2.2GPa、空気は約0.14MPa(大気圧程度)です。
液体の体積弾性係数は、油圧シリンダーの応答速度やウォーターハンマーの衝撃圧力の計算に必要になります。
これら3つの弾性係数は、等方性材料(方向によらず性質が均一な材料)では互いに関係式で結ばれています。
すなわち、3種類のうち2つが分かれば、残りの1つは計算で求められます。
このとき仲介役となるのがポアソン比です。
ポアソン比とは、引張方向のひずみに対する直交方向の縮みひずみの比であり、材料がどの程度「横に縮む」かを表す無次元量です。
次のセクション以降で、この関係式を詳しく解説します。
設計の場面では、引張・圧縮にはヤング率、ねじりにはせん断弾性係数、流体中の圧力変化には体積弾性係数と、荷重の種類に応じて適切な弾性係数を使い分けることが重要です。
たとえば建築構造物の柱や梁では主にヤング率を用いますが、自動車の駆動シャフトや工作機械のスピンドルなどねじりが支配的な部品ではせん断弾性係数が設計上の重要な指標となります。
また深海探査機器や油圧シリンダーのように全方向から均等に圧力を受ける機器では、体積弾性係数を用いて変形量を評価します。
3. 縦弾性係数(ヤング率)の基礎と計算例

縦弾性係数(ヤング率)は、弾性係数の中でも最も基礎的かつ重要な物性値です。
材料力学のあらゆる計算の出発点であり、機械設計者が最初に覚えるべき材料定数と言っても過言ではありません。
ヤング率の物理的意味
ヤング率Eは、引張試験における応力-ひずみ曲線の弾性域の傾きとして定義されます。
引張荷重をF、断面積をA、伸び量をΔL、元の長さをL₀とすると、次の式で表されます。
この式を伸び量について解くと、部材の伸びを直接計算できます。
つまり、荷重Fと部材の長さL₀に比例し、断面積Aとヤング率Eに反比例して伸びが決まるということです。
この式は設計の現場で非常に頻繁に使われる基本式です。
計算例:鋼とアルミの伸び量比較
具体的な数値で比較してみましょう。
長さ1,000mm、断面積100mm²の棒に10kNの引張荷重をかけた場合を考えます。
Step 1:鋼材の伸び量を計算する
鋼のヤング率をE = 206GPa = 206,000N/mm²とします。
Step 2:アルミの伸び量を計算する
アルミのヤング率をE = 70GPa = 70,000N/mm²とします。
Step 3:結果を比較する
アルミニウムの伸び量は鋼の約3倍(1.429 / 0.485 ≒ 2.95倍)になります。
ヤング率の比が206 / 70 ≒ 2.94ですから、伸び量の比とヤング率の逆比がほぼ一致していることが確認できます。
この結果は直感的にも理解しやすいでしょう。
アルミのヤング率は鋼の約1/3ですから、同じ力に対して3倍伸びやすいということです。
軽量化のために鋼からアルミに材料変更する場合、この剛性の差を断面積の増加で補う必要があります。
構造設計では部材のたわみが許容値以内に収まるかを確認するために、ヤング率を用いた変形計算が不可欠です。
たとえば工場の天井クレーンの走行レールでは、たわみがスパンの1/1000以下であることが一般的な基準とされるため、レール断面を決める際にヤング率を使った計算を必ず行います。
ヤング率と剛性の関係
設計の現場では「剛性」という言葉がよく使われますが、剛性とヤング率は厳密には異なる概念です。
剛性は「変形しにくさ」の総合的な指標であり、ヤング率だけでなく部材の形状(断面積や断面二次モーメント)にも依存します。
引張・圧縮の剛性はEA(ヤング率 × 断面積)、曲げ剛性はEI(ヤング率 × 断面二次モーメント)で評価されます。
つまりヤング率は材料固有の「材料剛性」を表し、部材全体の剛性はこれに形状要素を掛けたものです。
例えばアルミニウムは鋼の1/3のヤング率しかありませんが、密度も鋼の約1/3(2.7 vs 7.85 g/cm³)です。
同じ重量であれば断面積を約3倍にできるため、引張剛性EA は同等レベルを確保できます。
さらに曲げ剛性EIでは断面二次モーメントが断面の大きさの4乗に比例するため、同じ重量のアルミ部材は鋼部材よりも曲げ剛性で有利になる場合もあります。
航空機の機体構造にアルミ合金が多用されている理由の一つは、この「比剛性」の良さにあります。
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4. せん断弾性係数(横弾性係数)の基礎

せん断弾性係数(横弾性係数)Gは、材料がせん断力に対してどれだけ変形に抵抗するかを表す物性値です。
軸のねじりやボルトのせん断など、実務で頻繁に登場する変形モードに直結するため、設計者にとって欠かせない定数です。
せん断変形のメカニズム
せん断変形とは、材料の上面と下面に反対方向の力が作用し、直方体が平行四辺形に歪むような変形です。
引張や圧縮が「伸び縮み」であるのに対し、せん断は「ずれ」の変形です。
トランプの束を横から押してずらすような動きをイメージすると分かりやすいでしょう。
せん断応力τは、せん断力Fを断面積Aで割った値です。
せん断ひずみγは、せん断変形によって生じる角度変化(ラジアン)で定義されます。
変形量をδ、元の高さをhとすると、微小変形では次のように近似できます。
そしてせん断弾性係数Gは、せん断応力とせん断ひずみの比で定義されます。
この関係は、引張・圧縮におけるフックの法則σ = Eεのせん断版と考えることができます。
値が大きいほど「ずれにくい」材料ということになります。
せん断弾性係数が必要になる設計場面
せん断弾性係数は、主に以下のような設計場面で必要となります。
- 軸のねじり計算:動力伝達軸のねじれ角やねじり応力の算出にGが不可欠です
- コイルばねの設計:コイルばねの線材は主にねじり変形を受けるため、ばね定数の計算にGを使います(Eではありません)
- ボルトのせん断強度:ボルトがせん断荷重を受ける場合の変形量の評価にGが関わります
- 歯車の接触解析:歯車の歯面間の接触応力やたわみの計算にGが含まれます
- 梁のせん断たわみ:短い梁やサンドイッチ構造の梁では、曲げたわみだけでなくせん断たわみも無視できないため、Gの値が必要です
ねじり問題におけるせん断弾性係数
せん断弾性係数が最も重要になるのは、軸のねじり計算です。
円形断面の軸にトルクTが作用するとき、最大せん断応力τₘₐₓは極断面係数Zpを用いて次の式で求められます。
ここで、dは軸の直径です。
ねじれ角φは、せん断弾性係数Gを含む次の式で計算されます。
ここで、Lは軸の長さ、Ipは断面二次極モーメントです。
ねじれ角の計算にはせん断弾性係数Gが直接必要となります。
ヤング率Eを間違って使うと、計算結果が大きくずれてしまうので注意してください。
計算例:軸のねじれ角
直径d = 30mm、長さL = 500mmの鋼製軸にトルクT = 100N・mが作用する場合のねじれ角を計算します。
鋼のせん断弾性係数はG = 80GPa = 80,000N/mm²とします。
Step 1:断面二次極モーメントを求める
円形断面の断面二次極モーメントは次の式で求められます。
Step 2:ねじれ角を計算する
トルクの単位をN・mmに変換して(100N・m = 100,000N・mm)代入します。
Step 3:度数法に変換する
ねじれ角は約0.45°となります。
一般的な動力伝達軸の許容ねじれ角は、1mあたり0.25°〜0.50°とされています。
本例では軸長が500mm(0.5m)で0.45°ですから、1mあたりに換算すると0.90°/mとなり、許容値を超えています。
この場合は軸径を太くするか、軸長を短くするなどの対策が必要です。
例えば軸径を40mmに変更すると、断面二次極モーメントは(40/30)⁴ ≒ 3.16倍になり、ねじれ角は約0.14°に低減されます。
このように、ねじれ角は軸径の4乗に反比例するため、径をわずかに太くするだけで大幅な改善が可能です。
コイルばねとせん断弾性係数
せん断弾性係数が最も身近に使われる場面の一つが、コイルばねのばね定数計算です。
コイルばねに圧縮・引張荷重が加わると、線材にはねじりのせん断応力が発生します。
そのため、コイルばねのばね定数kは次の式で計算されます。
ここで、dは線径、Dはコイル平均径(コイル外径からdを引いた値)、Naは有効巻数です。
注目すべきは、この式にはヤング率Eではなくせん断弾性係数Gが含まれている点です。
コイルばねの線材はコイル形状により主にねじり変形を受けるため、引張・圧縮の弾性係数ではなくせん断弾性係数で挙動が支配されます。
たとえばピアノ線(SWPA)のせん断弾性係数はG = 78.5GPaです。
線径d = 3mm、コイル平均径D = 20mm、有効巻数Na = 8の圧縮コイルばねの場合、ばね定数は次のように求められます。
このばねに100Nの荷重をかけると、たわみ量は100 / 12.4 ≒ 8.1mmとなります。
せん断弾性係数の値を間違えると、ばね定数が変わり、製品の動作ストロークや振動特性に直接影響するため注意が必要です。
実務ではJIS B 2704「コイルばね」に材料別のせん断弾性係数が記載されていますので、必ず参照するようにしてください。
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5. 弾性係数の求め方と関係式

等方性材料では、縦弾性係数E、横弾性係数G、体積弾性係数K、ポアソン比νの4つの弾性定数のうち、独立なのは2つだけです。
つまり、2つの値が既知であれば、残りの2つは関係式から計算で求められます。
この性質は設計実務で非常に便利です。
材料カタログにはヤング率とポアソン比のみが記載されていることが多いですが、そこからせん断弾性係数や体積弾性係数を算出できるからです。
ヤング率とポアソン比からせん断弾性係数を求める
最も基本的で実務上最も利用頻度の高い関係式は次のとおりです。
この式は等方性弾性体の一般化フックの法則から導出されます。
導出の概略は以下のとおりです。
純粋せん断の応力状態では、主応力σ₁ = τ、σ₂ = −τとなります(45°方向から見た等価表現)。
一般化フックの法則から主ひずみε₁を求めると次のようになります。
せん断ひずみγと主ひずみの関係γ = 2ε₁を用いると、以下が得られます。
一方、せん断弾性係数の定義G = τ / γを代入して整理すると、最終的に G = E / 2(1 + ν) が導かれます。
この導出から分かるように、せん断弾性係数は独立した物性値ではなく、ヤング率とポアソン比から完全に決定されます。
逆に言えば、等方性材料で3つの弾性係数が全て独立に異なる値を持つことはありえません。
実務ではヤング率とポアソン比は引張試験から比較的容易に求められるため、この2つの実測値からせん断弾性係数を算出する場面が多くあります。
逆にねじり試験からせん断弾性係数を先に測定し、ヤング率を逆算する方法も用いられます。
ヤング率とポアソン比から体積弾性係数を求める
この式は、均一な静水圧を受けた場合の体積ひずみを一般化フックの法則から導出することで得られます。
ポアソン比νが0.5に近づくと、分母の(1 − 2ν)が0に近づくため、体積弾性係数Kは非常に大きな値(理論上は無限大)になります。
これはポアソン比0.5の材料、すなわちゴムのような材料が体積変化をほとんど起こさない(非圧縮性に近い)ことと整合しています。
逆にポアソン比が0に近い材料(例えばコルク、ν ≒ 0)では、体積弾性係数はヤング率の約1/3になります。
コルクはワインの栓として使われますが、これはポアソン比が小さく「横に膨らみにくい」という性質を活用しているのです。
せん断弾性係数と体積弾性係数からヤング率を求める
この式を使えば、KとGからヤング率Eを逆算することも可能です。
超音波法で弾性定数を測定する場合、縦波速度と横波速度からそれぞれKとGが求まるため、この関係式でEを算出することがあります。
ポアソン比の物理的な制約
ポアソン比には物理的に許容される範囲があります。
等方性材料では、弾性係数が正の値を取るための条件から、次の範囲に制約されます。
一般的な金属材料のポアソン比は0.25〜0.35の範囲にあります。
鋼は約0.3、アルミニウムは約0.33、銅は約0.34、金は約0.42です。
ゴムはν ≒ 0.50(ほぼ非圧縮)、コルクはν ≒ 0(横に膨張しない)と、両極端な値を示す代表的な材料です。
なお、負のポアソン比を持つ材料はオーセチック材料と呼ばれ、引っ張ると横にも膨張するという特殊な性質を持ちます。
特殊なハニカム構造や多孔質材料で実現されており、衝撃吸収材などへの応用研究が進んでいます。
計算例:鋼のせん断弾性係数と体積弾性係数
鋼のヤング率E = 206GPa、ポアソン比ν = 0.3を用いて計算します。
せん断弾性係数は次のとおりです。
この値は文献値(鋼の横弾性係数79〜82GPa)とよく一致します。
体積弾性係数は次のとおりです。
体積弾性係数はヤング率よりもやや小さい値となります。
同様にアルミニウム(E = 70GPa、ν = 0.33)で計算するとG = 26.3GPa、K = 68.6GPaとなり、これも文献値と整合しています。
6. 主要材料の弾性係数一覧

設計実務で参照頻度の高い主要材料の弾性係数を一覧表にまとめます。
数値は常温(約20℃)における代表値であり、合金組成や熱処理条件によって多少変動します。
金属材料の弾性係数一覧
| 材料 | ヤング率 E |
せん断弾性係数 G |
ポアソン比 ν |
|---|---|---|---|
| 炭素鋼(SS400等) | 205 〜 210 | 79 〜 82 | 0.28 〜 0.30 |
| ステンレス鋼(SUS304) | 193 〜 200 | 73 〜 77 | 0.27 〜 0.30 |
| 鋳鉄(FC200) | 100 〜 120 | 40 〜 50 | 0.25 〜 0.28 |
| アルミニウム合金(A5052等) | 68 〜 72 | 25 〜 27 | 0.33 |
| 銅(C1100) | 118 〜 130 | 44 〜 49 | 0.34 |
| 黄銅(C2801) | 100 〜 110 | 37 〜 41 | 0.34 〜 0.35 |
| チタン合金(Ti-6Al-4V) | 110 〜 120 | 42 〜 46 | 0.31 〜 0.34 |
| マグネシウム合金 | 43 〜 45 | 16 〜 17 | 0.30 〜 0.35 |
この表から読み取れる重要なポイントがいくつかあります。
まず、鋼材のヤング率は炭素鋼・ステンレスを問わずほぼ200GPa前後に集中していることです。
これはヤング率が鉄原子間の結合力に由来する物性値であり、合金元素の影響がほとんどないためです。
S45Cの焼入れ品(引張強さ800MPa超)でもSS400(引張強さ400MPa)でも、ヤング率は変わりません。
「強い材料 = 硬い(剛性が高い)材料」ではないことを示す好例です。
次に、せん断弾性係数Gはヤング率Eの約38〜40%の値になっている点にも注目してください。
これはポアソン比が0.28〜0.34の範囲にある金属材料では、G/E = 1 / 2(1+ν) ≒ 0.37〜0.39 となるためです。
このことから、金属材料のせん断弾性係数はおおよそ「ヤング率の4割弱」と覚えておくと、概算時に便利です。
また、同じ「軽金属」でもアルミ(E ≒ 70GPa)とマグネシウム(E ≒ 44GPa)では剛性に大きな差があります。
マグネシウムはアルミよりも軽い(密度1.74 vs 2.70 g/cm³)ものの、ヤング率も低いため、単純な置換では剛性不足になりやすい点に注意が必要です。
材料選定において弾性係数を比較する際は、密度との比である比弾性係数(比剛性 = E/ρ)も重要な指標です。
比弾性係数が大きい材料ほど、同じ重量あたりの剛性が高いことを意味します。
鋼(E/ρ ≒ 26.2)とアルミ(E/ρ ≒ 25.9)の比弾性係数はほぼ同じであり、軽量化の観点ではアルミへの置換が合理的です。
一方、CFRP(繊維方向E/ρ ≒ 100)は鋼の約4倍の比弾性係数を持つため、航空宇宙やレーシングカーなど極限の軽量化が求められる分野で採用が進んでいます。
非金属材料の弾性係数一覧
| 材料 | ヤング率 E |
ポアソン比 ν | 備考 |
|---|---|---|---|
| コンクリート | 20 〜 35 | 0.15 〜 0.20 | 圧縮強度により変動 |
| ガラス | 65 〜 75 | 0.20 〜 0.25 | 組成による |
| エポキシ樹脂 | 2.5 〜 4.5 | 0.35 〜 0.40 | 複合材のマトリクス |
| ナイロン(PA66) | 2.0 〜 3.5 | 0.39 〜 0.41 | 吸湿で低下 |
| ゴム(天然) | 0.001 〜 0.01 | 0.49 〜 0.50 | ほぼ非圧縮 |
非金属材料は金属に比べてヤング率が大幅に低い傾向にあります。
特にゴムは鋼の10万分の1以下のヤング率しか持たず、わずかな力でも大きく変形します。
一方、ゴムのポアソン比は0.5に極めて近く、変形しても体積はほぼ変化しません。
この性質は防振ゴムやシール部品の設計において重要なポイントとなります。
樹脂材料は吸湿や温度によってヤング率が大きく変動する点にも注意が必要です。
ナイロンは乾燥状態ではE ≒ 3.0GPaですが、吸湿状態ではE ≒ 1.5GPa程度まで低下することがあります。
樹脂部品の強度・剛性設計では、使用環境における最悪条件の物性値を用いるのが原則です。
なお、応力の基本概念については以下の記事で詳しく解説しています。
7. コンクリートの弾性係数

コンクリートの弾性係数は、金属材料とは異なる特殊な性質を持っています。
金属のヤング率が材料固有の定数であるのに対し、コンクリートのヤング率は圧縮強度と単位体積重量に依存して変化します。
建築や土木の構造設計ではコンクリートを使う場面が多いため、このセクションではコンクリート特有の弾性係数の扱い方を解説します。
コンクリートの応力-ひずみ曲線の特徴
金属材料の応力-ひずみ曲線は、弾性域において明確な直線部分を持ちます。
この直線の傾きがヤング率です。
一方、コンクリートの応力-ひずみ曲線は低応力域でも完全な直線にはなりません。
これはコンクリート内部の微細なひび割れ(マイクロクラック)が、応力の増加とともに進展するためです。
骨材とセメントペーストの界面付近には、製造段階ですでに微細なひび割れが存在しています。
荷重を受けるとこのひび割れが徐々に成長し、応力-ひずみ曲線に非線形性をもたらします。
そのため、コンクリートの弾性係数は「割線弾性係数(セカント弾性係数)」として定義されます。
JIS A 1149「コンクリートの静弾性係数試験方法」では、応力-ひずみ曲線上の2点を結ぶ直線の傾きとして静弾性係数を規定しています。
具体的には、ひずみ50×10⁻⁶の点と、最大応力の1/3に相当する点の2点を結んだ割線の傾きを用います。
コンクリートの弾性係数の計算式
建築分野では、コンクリートのヤング率を圧縮強度から推定する経験式が広く使われています。
日本建築学会(JASS 5)では、次の式が用いられます。
ここで各パラメータの意味は次のとおりです。
- Ec:コンクリートのヤング率(N/mm²)
- γ:コンクリートの気乾単位体積重量(t/m³)。普通コンクリートでは2.3程度
- Fc:設計基準強度(N/mm²)。一般的な建築物では18〜36N/mm²
この式から分かるように、コンクリートのヤング率は密度の2乗と強度の1/3乗に比例します。
つまり、高強度コンクリートほど、また密度が高いコンクリートほどヤング率が大きくなります。
ただし強度が2倍になってもヤング率は2の1/3乗(≒ 1.26倍)にしか増加しません。
コンクリートの強度を上げても剛性の向上は限定的であるという点は、鋼材の「強度を上げてもヤング率は変わらない」という性質とは異なる興味深い特徴です。
計算例:普通コンクリートのヤング率
設計基準強度Fc = 24N/mm²、気乾単位体積重量γ = 2.3t/m³のコンクリートのヤング率を求めます。
これは一般的な建築物で広く使われるコンクリート強度です。
Step 1:密度補正係数を計算する
Step 2:強度補正係数を計算する
Step 3:ヤング率を求める
普通コンクリートのヤング率は約22.7GPaとなります。
鋼材のヤング率(206GPa)と比較すると約1/9であり、コンクリートが鋼に比べて大きく変形しやすい材料であることが分かります。
鉄筋コンクリート構造では、コンクリートが圧縮に耐え、鉄筋が引張に耐えるという役割分担をしていますが、変形の計算においてはコンクリートの低いヤング率が構造全体のたわみに大きく影響します。
参考として、高強度コンクリート(Fc = 60N/mm²)では Ec ≒ 28.5GPaとなり、普通コンクリートより約25%高い値を示します。
超高強度コンクリート(Fc = 100N/mm²以上)も近年開発が進んでおり、さらに高いヤング率を持ちますが、上記の経験式の適用範囲外となるため、個別に試験で確認する必要があります。
クリープと長期弾性係数
コンクリート特有の現象として、クリープがあります。
クリープとは、一定の応力を加え続けたときにひずみが時間とともに増加する現象です。
金属では通常、高温環境でのみ問題となるクリープですが、コンクリートは常温でもクリープが発生します。
これはセメントペースト中の水分が応力下で移動(応力誘導移動)し、内部構造が徐々に変化するためです。
長期的な変形を評価する場合は、瞬間弾性係数(短期載荷時のヤング率)ではなく、長期弾性係数(有効弾性係数)を使用します。
長期弾性係数は、クリープ係数φを用いて次のように定義されます。
クリープ係数φは載荷期間や環境湿度、部材の寸法などによって異なりますが、一般的な建築物の設計ではφ = 2〜3程度を見込みます。
φ = 2とした場合、長期弾性係数は瞬間弾性係数の1/3にまで低下します。
つまり、長期荷重のもとでは短期載荷時の3倍近いたわみが発生する可能性があるということです。
プレストレストコンクリート(PC)の設計では、クリープによるプレストレス力の減少(リラクセーション)を考慮する必要があり、長期弾性係数の適切な設定が構造安全性に直結します。
コンクリートのせん断弾性係数
コンクリートのせん断弾性係数は、金属と同様にヤング率とポアソン比から計算できます。
コンクリートのポアソン比は一般にν = 1/6 ≒ 0.167が使用されます。
コンクリートのせん断弾性係数はヤング率の約43%の値となります。
金属(鋼では約38%)と比べるとやや高い割合ですが、これはコンクリートのポアソン比が金属より小さいことに起因しています。
ポアソン比が小さいほどG/Eの比は大きくなるという関係式の性質を反映した結果です。
8. 弾性係数を設計に活用するポイント

弾性係数を正しく設計に活用するためには、数値を計算式に代入するだけでなく、弾性係数にまつわる重要な特性を理解しておく必要があります。
ここでは、設計実務で特に注意すべきポイントを整理します。
ヤング率は強度を変えても変わらない
設計の現場でよくある誤解の一つが、「強度の高い鋼材はヤング率も高い」という思い込みです。
SS400(引張強さ400〜510MPa)もS45C焼入れ品(引張強さ800MPa超)もSCM440(引張強さ1,000MPa超)も、ヤング率は同じ約206GPaです。
これは、ヤング率が原子間の結合力(格子定数・結合エネルギー)で決まる物性値だからです。
合金元素や熱処理は結晶格子内の転位挙動を変えることで強度(降伏点・引張強さ)を変化させますが、原子間の結合力自体にはほとんど影響を与えません。
転位が動きにくくなることで強度は上がりますが、結晶格子のばね定数(= ヤング率)は変わらないのです。
したがって、たわみや座屈が問題となる場面で高強度鋼を使っても、変形量は改善しません。
剛性を高めるには、断面形状の変更(断面二次モーメントの増加)か、ヤング率の高い別系統の材料(例えば超硬合金やセラミックス)への変更が必要です。
この「強度と剛性は別物」という認識は、材料選定において極めて重要なポイントです。
たとえば工作機械のベッドやフレームでは、加工精度を確保するためにたわみを極限まで抑える必要があります。
このような用途で高強度鋼を使っても意味がなく、鋳鉄(FC材)のように振動減衰に優れた材料を使うか、断面形状を工夫してEI値を高める設計が求められます。
逆にボルトやばねのように繰り返し応力を受ける部品では、ヤング率よりも疲労強度や降伏点が設計のボトルネックとなります。
温度による弾性係数の変化
弾性係数は温度の上昇に伴って低下します。
これは温度が上がると原子の熱振動が激しくなり、原子間の平衡距離が広がって結合力が弱まるためです。
鋼の場合の目安は以下のとおりです。
- 常温(20℃):E ≒ 206GPa(基準値)
- 200℃:E ≒ 196GPa(約95%)
- 300℃:E ≒ 186GPa(約90%)
- 400℃:E ≒ 172GPa(約83%)
- 500℃:E ≒ 155GPa(約75%)
- 600℃:E ≒ 103GPa(約50%)
300℃程度であれば約10%の低下にとどまりますが、500℃を超えると25%以上低下し、構造部材としての機能が大きく損なわれます。
高温環境で使用されるボイラー、タービン部品、排気系部品、炉体構造物などの設計では、使用温度における弾性係数を用いて計算を行わなければなりません。
JIS B 8267(圧力容器の設計)やASME Boiler and Pressure Vessel Codeでは、温度別の許容応力と合わせて弾性係数も規定されています。
異方性材料の弾性係数
本記事で解説した関係式(G = E / 2(1 + ν) など)は、等方性材料に対してのみ成り立ちます。
木材や繊維強化プラスチック(CFRP、GFRP)、圧延された金属板の板厚方向と圧延方向など、方向ごとに性質が異なる異方性材料では、方向ごとに異なる弾性係数を持ちます。
例えば、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は繊維方向のヤング率が130〜180GPaと鋼に匹敵する高い値を示しますが、繊維直交方向では8〜12GPaと大幅に低くなります。
木材も繊維方向(年輪に沿った方向)と横断方向で10倍以上のヤング率の差があります。
異方性材料を使用する場合は、荷重の方向と材料の配向を慎重に検討する必要があります。
CFRPの積層板設計では、各層の繊維方向を変えて積層することで、全体として擬似的に等方性に近い性質を実現する設計手法も用いられます。
弾性係数と固有振動数の関係
弾性係数は構造物の固有振動数にも影響を与えます。
単純な棒の縦振動の固有振動数は次の式で表されます。
ここで、nは振動モード次数、Lは棒の長さ、ρは密度です。
ヤング率が高いほど、また密度が低いほど固有振動数は高くなります。
共振を避けるための設計では、E/ρ(比剛性)が重要な指標となります。
興味深いことに、鋼とアルミニウムのE/ρの値はほぼ等しくなっています。
鋼:206 / 7.85 ≒ 26.2、アルミ:70 / 2.7 ≒ 25.9です。
つまり同じ形状の部材であれば、材料を鋼からアルミに変更しても固有振動数はほとんど変わりません。
軽量化を目的とした材料変更では振動特性が維持されることは、設計上の大きなメリットといえます。
ただし、鋼の比剛性はマグネシウム合金(E/ρ ≒ 44/1.74 ≒ 25.3)ともほぼ同等であり、「比剛性で差をつける」ためにはセラミックス(E/ρ ≒ 380/3.9 ≒ 97)やCFRP(繊維方向E/ρ ≒ 160/1.6 ≒ 100)といった特殊材料が必要になります。
弾性係数の測定方法
弾性係数の値は文献やカタログから入手するのが一般的ですが、実際に測定が必要な場面もあります。
代表的な測定方法を紹介します。
最も基本的な方法は引張試験です。
JIS Z 2241「金属材料引張試験方法」に準拠し、試験片に引張荷重を加えながら応力とひずみを測定します。
弾性域の応力-ひずみ曲線の傾きから、ヤング率を算出します。
ひずみの測定にはひずみゲージまたは伸び計(エクステンソメーター)を使用します。
引張試験は最も信頼性の高い測定方法ですが、試験片を破壊する必要があるため、製品そのものの評価には使えません。
非破壊で弾性係数を測定する方法として、超音波法があります。
超音波の縦波速度VLと横波速度VSを測定し、材料の密度ρとあわせて弾性係数を算出します。
縦波速度からはヤング率、横波速度からはせん断弾性係数が求められるため、一度の測定で2つの弾性係数を同時に取得できるメリットがあります。
また、試験片を加工する必要がなく、製品の品質検査にも適用できます。
もう一つの非破壊法として、固有振動法(共振法)があります。
試験片を叩いて固有振動数を測定し、振動数と試験片寸法の関係から弾性係数を逆算します。
JIS R 1602「ファインセラミックスの弾性率試験方法」に規定されている方法で、セラミックスのように脆くて引張試験が困難な材料の弾性係数測定に適しています。
有限要素法(FEM)解析における弾性係数の取り扱い
近年の設計実務では、有限要素法(FEM)を用いた構造解析が欠かせません。
FEM解析で弾性変形を計算する場合、材料の入力パラメータとしてヤング率Eとポアソン比νの2つを指定するのが基本です。
せん断弾性係数Gや体積弾性係数Kはソフトウェア内部で自動計算されるため、通常は個別に入力する必要はありません。
ただし、いくつかの注意点があります。
ポアソン比を0.5に近い値(0.49以上)に設定すると、体積弾性係数が極端に大きくなり、要素の体積ロッキング現象が起きて解が不安定になることがあります。
ゴムのような非圧縮性材料を解析する場合は、超弾性モデル(ムーニー-リブリンモデルなど)を使用するか、ハイブリッド要素を選択するなどの対策が必要です。
また、温度依存性を考慮した解析では、温度ごとの弾性係数を材料データとして入力する必要があります。
線形補間によって中間温度の弾性係数が自動的に計算されるソフトウェアが多いですが、温度データの入力ポイントが粗いと精度が低下するため注意してください。
ミーゼス応力を含む複合応力状態の評価については、以下の記事をご覧ください。
設計実務では材料メーカーのカタログ値やJISハンドブックの数値を鵜呑みにするのではなく、使用環境に適した値を選定することが大切です。
特に高温環境や長期荷重が作用する場合には、室温・短期の弾性係数から大きくずれることがあるため、その温度や時間条件に対応した値を使う必要があります。
まとめ
本記事では、弾性係数の基本的な定義から3つの種類、それぞれの求め方と関係式、主要材料の一覧表、さらにコンクリートの弾性係数の計算方法まで解説しました。
ポイントを整理します。
- 弾性係数は「応力とひずみの比」で定義される