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キー(キー溝)のせん断強度・面圧強度の計算方法

軸とハブを確実に結合するキーは、モーター、減速機、カップリング、歯車、プーリーなど、回転機構で広く使われる機械要素です。

一見すると単純な角材のように見えますが、キーにはトルク伝達時に「せん断応力」と「面圧応力」が発生します。

この2つを混同すると、キー幅 b とキー高さ h の使い方を誤り、強度計算の結果が大きく変わってしまいます。

本記事では、平行キーを中心に、キーのせん断強度・面圧強度の正しい計算方法、設計時に見るべきポイント、計算例、安全率の考え方までを実務目線で解説します。

キーとは何か

キーの役割

キーは、軸とハブの間に挿入して、軸の回転トルクを相手部品へ伝えるための部品です。

モーター軸にプーリーを取り付ける場合、減速機軸にスプロケットを固定する場合、軸に歯車を組み付ける場合など、回転体と軸を一体で回す場面で使用されます。

軸とハブにキー溝を加工し、その溝にキーを入れることで、軸表面で発生する周方向の力をキーが受け持ちます。

つまり、キーは単なる位置決め部品ではなく、トルクを伝達するための強度部品です。

キーが弱いと、キーそのものがせん断されたり、キー側面やキー溝がつぶれたりします。

また、キー溝は軸にとって切欠きになるため、軸側の強度低下や応力集中にも注意が必要です。

軸そのもののねじり強度を確認したい場合は、シャフトのねじり強度計算も合わせて確認すると、軸とキーをセットで評価しやすくなります。

代表的なキーの種類

一般的な機械設計でよく使われるキーには、平行キー、勾配キー、半月キー、スプラインなどがあります。

このうち、本記事で中心に扱うのは平行キーです。

平行キーは断面が長方形で、キー幅 b、キー高さ h、キー長さ L を持ちます。

形状が単純で、標準寸法も整備されているため、汎用機械、搬送装置、治具、設備部品などで広く使われます。

種類 特徴 注意点
平行キー 幅と高さが一定の角形キー。最も一般的に使われる。 せん断と面圧の両方を計算する。
勾配キー 上面に勾配を持ち、打ち込みによって固定力を高める。 分解性や芯ずれへの配慮が必要。
半月キー 半円形のキー。小径軸やテーパ軸で使われることがある。 単純な平行キー式だけで評価しにくい場合がある。
スプライン 複数の歯でトルクを分担する。 荷重分担、加工精度、はめあい管理が重要。

キーに作用する力の考え方

トルクから周方向力を求める

キーの強度計算では、まず軸に作用するトルク T を、軸表面でキーにかかる周方向力 F に変換します。

軸径を d とすると、軸半径は d/2 です。

トルクは「力 × 半径」で表されるため、次の関係になります。

 T = F \times \dfrac{d}{2}

したがって、キーに作用する周方向力 F は次式で求められます。

 F = \dfrac{2T}{d}

ここで、T は N・mm、d は mm でそろえて計算します。

トルクを N・m で持っている場合は、1 N・m = 1000 N・mm に換算してから代入します。

この単位換算を忘れると、応力計算が1000倍ずれるため注意が必要です。

キー強度はせん断と面圧の2条件で見る

キーの強度計算では、主に次の2つを確認します。

  • せん断応力:キーが幅方向の断面で切断されるように壊れないかを見る。
  • 面圧応力:キー側面やキー溝が押しつぶされないかを見る。

せん断は「キーがせん断面で切れる」問題です。

面圧は「キーと軸溝・ハブ溝の接触面がつぶれる」問題です。

実務では、キーそのものが真っ二つに切れる前に、キー側面やキー溝が塑性変形し、ガタ、摩耗、異音、位相ずれとして現れることもあります。

そのため、キー設計ではせん断だけでなく、面圧を必ず確認することが重要です。

平行キーのせん断応力の計算式

せん断面積はキー幅 b × キー長さ L

平行キーのせん断応力を計算するとき、せん断面積は「キー幅 b × キー有効長さ L」で考えます。

ここが非常に重要です。

せん断応力では、キー高さ h ではなく、キー幅 b を使います。

キーに作用する周方向力 F が、キーの幅 b と長さ L で構成される面をせん断すると考えるためです。

 \tau = \dfrac{F}{bL}

先ほどの  F = \dfrac{2T}{d} を代入すると、平行キーのせん断応力は次式になります。

 \tau = \dfrac{2T}{dLb}

記号 意味
\tau キーに発生するせん断応力 [MPa]
T 伝達トルク [N・mm]
d 軸径 [mm]
L キーの有効長さ [mm]
b キー幅 [mm]

キー幅 b を使う理由

せん断応力は、荷重を受ける断面積で力を割って求めます。

平行キーの場合、周方向力によってキーが切断されると仮定する面は、キー幅 b とキー長さ L で構成される面です。

そのため、せん断応力の分母は bL になります。

キー高さ h は、せん断ではなく面圧計算側で重要になります。

この b と h を逆にすると、せん断応力と面圧応力の評価が入れ替わり、どちらが危険側なのかを見誤ります。

キーの計算で最も起きやすいミスの一つなので、「せん断は bL、面圧は hL」と覚えておくと整理しやすくなります。

平行キーの面圧応力の計算式

面圧はキー高さ h の半分で考える

面圧応力は、キーとキー溝の接触面に発生する圧縮応力です。

平行キーでは、キー高さ h の全体が均等に面圧を受けるのではなく、一般的には有効な接触高さを h/2 と見て計算します。

これは、キーが軸側とハブ側にまたがって入るため、片側で荷重を受ける有効高さをキー高さの半分程度と考えるためです。

面圧を p とすると、接触面積はおおよそ  \dfrac{h}{2} \times L です。

 p = \dfrac{F}{(h/2)L}

ここに  F = \dfrac{2T}{d} を代入すると、面圧応力は次式になります。

 p = \dfrac{4T}{dLh}

記号 意味
p キー側面またはキー溝に発生する面圧応力 [MPa]
T 伝達トルク [N・mm]
d 軸径 [mm]
L キーの有効長さ [mm]
h キー高さ [mm]

面圧が支配的になりやすい理由

平行キーでは、せん断応力よりも面圧応力の方が厳しくなる場合があります。

理由は、面圧を受ける有効高さを h/2 と見るため、接触面積が小さくなりやすいからです。

また、キー材そのものが十分強くても、軸溝やハブ溝の角部、接触面、はめあい状態によって局所的な変形が起きることがあります。

現場でキーが抜けない、キー溝が広がる、ハブ側に打痕が残る、再組付け時にガタが出るといったトラブルは、面圧や接触状態が関係していることが多いです。

せん断応力と面圧応力の違い

b と h の使い分け

平行キーの強度計算で混乱しやすいのが、キー幅 b とキー高さ h の使い分けです。

整理すると、せん断応力では b、面圧応力では h を使います。

評価項目 見る破壊モード 使う寸法 基本式
せん断応力 キーが切れる キー幅 b、長さ L \tau = \dfrac{2T}{dLb}
面圧応力 キー側面・溝がつぶれる キー高さ h、長さ L p = \dfrac{4T}{dLh}

単純に「大きい寸法を分母に入れれば安全側になる」と考えるのは危険です。

せん断と面圧では、見ている破壊モードが違うため、使用する面積も異なります。

計算式を丸暗記するよりも、「どの面が切れるのか」「どの面が押されるのか」をイメージすると、寸法の取り違えを防ぎやすくなります。

有効長さ L の考え方

キー長さ L は、図面上の全長をそのまま使う場合もありますが、実際には有効に接触して荷重を伝える長さとして考える必要があります。

面取り部、丸み部、逃げ、端部の接触不良が大きい場合は、全長すべてが均等に荷重を受けるとは限りません。

特に短いキー、片当たりしやすい構造、組付け精度が悪い構造では、有効長さを過大評価しないことが重要です。

安全側に見る場合は、図面長さから端部影響を差し引いて検討することもあります。

平行キーの強度計算例

条件設定

ここでは、次の条件で平行キーのせん断応力と面圧応力を計算します。

項目 記号
伝達トルク T 500 N・m
軸径 d 30 mm
キー幅 b 10 mm
キー高さ h 8 mm
キー有効長さ L 40 mm

トルク T は N・mm に換算します。

 500 \,\mathrm{N \cdot m} = 500000 \,\mathrm{N \cdot mm}

せん断応力の計算

せん断応力は次式で求めます。

 \tau = \dfrac{2T}{dLb}

数値を代入します。

 \tau = \dfrac{2 \times 500000}{30 \times 40 \times 10}

 \tau = 83.3 \,\mathrm{MPa}

この条件では、キーに発生するせん断応力は約83.3 MPaです。

面圧応力の計算

面圧応力は次式で求めます。

 p = \dfrac{4T}{dLh}

数値を代入します。

 p = \dfrac{4 \times 500000}{30 \times 40 \times 8}

 p = 208.3 \,\mathrm{MPa}

この条件では、面圧応力は約208.3 MPaです。

せん断応力の83.3 MPaに比べると、面圧応力の方が大きくなっています。

このように、キー設計では面圧側が支配的になることがあるため、せん断だけで安全判断しないことが重要です。

安全率の計算例

仮に、許容せん断応力を120 MPa、許容面圧応力を250 MPaとして確認します。

実際の設計では、材料、熱処理、荷重条件、衝撃の有無、社内基準などに応じて許容値を設定してください。

せん断側の安全率は次の通りです。

 n_{\tau} = \dfrac{\tau_{allow}}{\tau} = \dfrac{120}{83.3} = 1.44

面圧側の安全率は次の通りです。

 n_{p} = \dfrac{p_{allow}}{p} = \dfrac{250}{208.3} = 1.20

この例では、せん断側よりも面圧側の安全率が低く、面圧側が先に厳しくなります。

もし要求安全率を1.5以上とするなら、キー長さ L を伸ばす、軸径を大きくする、キー寸法を見直す、材質や熱処理を変更するなどの対策が必要です。

キー寸法別の計算例

代表条件でのせん断応力・面圧応力

以下は、代表的な条件でせん断応力と面圧応力を計算した例です。

寸法は説明用の例であり、実際の設計では使用する規格、軸径範囲、キー溝寸法、メーカー資料を確認してください。

軸径 d
[mm]
キー幅 b
[mm]
キー高さ h
[mm]
長さ L
[mm]
トルク T
[N・m]
せん断応力 τ
[MPa]
面圧応力 p
[MPa]
30 10 8 40 500 83.3 208.3
40 12 10 50 800 66.7 160.0
50 14 12 60 1000 47.6 111.1
60 18 11 70 1500 39.7 129.9

この表からも分かるように、応力はトルクが大きいほど増加し、軸径、キー幅、キー高さ、キー長さが大きいほど低下します。

ただし、せん断応力を下げるには b または L が効き、面圧応力を下げるには h または L が効きます。

キー長さ L は、せん断と面圧の両方に効くため、スペースが許す範囲では有効な調整要素になります。

キー長さを伸ばした場合の効果

先ほどの d = 30 mm、b = 10 mm、h = 8 mm、T = 500 N・m の条件で、キー長さだけを変えると次のようになります。

キー長さ L [mm] せん断応力 τ [MPa] 面圧応力 p [MPa]
30 111.1 277.8
40 83.3 208.3
50 66.7 166.7
60 55.6 138.9

キー長さを40 mmから50 mmに伸ばすと、せん断応力も面圧応力も約20%下がります。

ただし、むやみに長いキーを使えばよいわけではありません。

ハブ幅、加工精度、組付け性、軸のキー溝長さ、端部の応力集中、軸強度への影響も同時に確認する必要があります。

許容応力と安全率の考え方

許容値は材料強度だけで決めない

キーの許容せん断応力や許容面圧応力は、材料の引張強さや降伏点から目安を置くことがあります。

ただし、実際には材料名だけで一律に決めるのではなく、荷重条件、衝撃の有無、繰返し回数、使用温度、潤滑状態、キー溝の加工品質、組付け方法も考慮します。

たとえば同じS45Cでも、焼ならし、調質、表面処理の有無によって使える許容値は変わります。

また、キー材が強くても、軸やハブ側の材質が弱い場合は、面圧による溝の変形が先に問題になります。

条件 特徴 安全率の考え方 注意点
静的荷重中心 回転変動や衝撃が小さい 比較的標準的に設定しやすい 始動トルクは別途確認する
繰返し荷重 正逆転や加減速が多い 疲労やゆるみを考慮する キー溝の摩耗に注意する
衝撃荷重 急停止、噛み込み、クラッシュがある 高めの安全率が必要 最大トルクで確認する
片当たりしやすい構造 組付け誤差やハブ剛性の影響を受ける 有効長さを過大評価しない 面圧側を慎重に見る

設計時に見るべき安全率

安全率は、許容応力を実際に発生する応力で割って求めます。

 n_{\tau} = \dfrac{\tau_{allow}}{\tau}

 n_{p} = \dfrac{p_{allow}}{p}

キー設計では、せん断側の安全率と面圧側の安全率を別々に確認します。

片方だけが十分でも、もう片方が不足していれば安全とは言えません。

特に、せん断側だけを見て「安全率が高い」と判断すると、面圧側の溝つぶれを見落とす可能性があります。

回転機械のトルク容量を検討する場合は、カップリングのトルク容量計算の考え方も近く、定格トルクだけでなく始動時・停止時・衝撃時のトルクを考慮することが重要です。

キー設計でよくあるミス

せん断式と面圧式の b・h を逆にする

最も多いミスは、せん断応力の分母に h を使い、面圧応力の分母に b を使ってしまうことです。

正しくは、せん断応力は bL、面圧応力は (h/2)L です。

式で書くと、せん断は \tau = \dfrac{2T}{dLb}、面圧は p = \dfrac{4T}{dLh} です。

図面上では b と h が近い値になることもあるため、計算結果の差が一見小さく見える場合もあります。

しかし、キー寸法によっては安全率の判定が変わるため、必ず式の意味から確認する必要があります。

N・m と N・mm を混在させる

キーの寸法は mm で扱うことが多いため、トルクも N・mm に換算して計算するのが一般的です。

500 N・m は 500000 N・mm です。

この換算を忘れて 500 のまま代入すると、応力が1000分の1になり、危険側の誤判定になります。

計算書では、T = 500 N・m = 500000 N・mm のように、換算後の値を明記しておくとミスを防ぎやすくなります。

定格トルクだけで判断する

モーターや減速機のカタログに記載された定格トルクだけでキーを評価すると、実際の最大負荷を見落とすことがあります。

起動時、急停止時、ワーク噛み込み時、正逆転時、クラッチ接続時などには、定格より大きな瞬間トルクが発生する場合があります。

特に搬送装置、プレス周辺設備、破砕機、攪拌機、昇降装置などでは、負荷変動や衝撃を考慮して設計トルクを決める必要があります。

キーだけを強くして軸側を見落とす

キー材を高強度にしても、軸やハブの材質が弱ければ、キー溝側が先に変形することがあります。

また、キー溝は軸にとって切欠きであり、応力集中の原因になります。

高トルク、高回転、疲労荷重を受ける軸では、キー溝底の丸み、加工傷、表面粗さも無視できません。

切欠きによる強度低下を考える場合は、応力集中係数Ktの考え方も参考になります。

キー長さ・キー寸法の決め方

まず標準寸法から選ぶ

平行キーは、軸径に応じて標準的なキー幅 b とキー高さ h が決められています。

設計では、まず規格寸法表や使用部品のメーカー資料から、軸径に対応するキー寸法を選びます。

そのうえで、実際の伝達トルクに対して、せん断応力と面圧応力が許容値内に収まるかを確認します。

標準寸法だから必ず安全というわけではありません。

標準寸法はあくまで寸法選定の出発点であり、最終的には荷重条件に対する強度確認が必要です。

キー長さ L を決める手順

キー長さ L は、ハブ幅やスペースに合わせて決めることが多いですが、強度計算上も重要な寸法です。

実務では、次のような流れで検討すると整理しやすくなります。

  1. 軸径 d から標準キー寸法 b、h を選ぶ。
  2. 伝達トルク T を設計トルクとして設定する。
  3. 仮のキー長さ L を決める。
  4. せん断応力 \tau = \dfrac{2T}{dLb} を計算する。
  5. 面圧応力 p = \dfrac{4T}{dLh} を計算する。
  6. 許容応力と比較し、安全率を確認する。
  7. 不足する場合は、L、軸径、構造、材質を見直す。

キー長さを長くすると、せん断にも面圧にも有利です。

しかし、ハブ幅に対して長すぎるキーは組付け性を悪くし、端部の当たりや加工誤差の影響も受けやすくなります。

強度だけでなく、加工、組立、保全まで含めて決めることが大切です。

半月キー・複数キーを扱うときの注意

半月キーは単純な平行キー式だけで判断しない

半月キーは、断面形状が平行キーと異なります。

そのため、平行キーの式をそのまま機械的に当てはめると、接触面積や有効高さの取り方が実態とずれる場合があります。

概算確認として似た考え方を使うことはありますが、重要部位ではメーカー資料、規格、機械設計便覧、社内基準などに基づいて評価するのが安全です。

特に小径軸、テーパ軸、高トルク部、繰返し荷重部では、キー溝による軸断面の弱体化も含めて確認する必要があります。

複数キーは均等分担とは限らない

2本キーや複数キーを使うと、単純には荷重を本数で割りたくなります。

しかし、実際には加工誤差、位相ずれ、はめあい、弾性変形によって、すべてのキーが均等に荷重を受けるとは限りません。

1本だけが先に当たり、残りのキーが十分に働かない場合もあります。

複数キーを使う場合は、荷重分担を過大評価せず、必要に応じて低めの分担率で安全側に評価します。

高トルクを確実に伝える必要がある場合は、キーを増やすより、スプライン、締結要素、焼ばめ、クランプ構造など別方式を検討した方がよい場合もあります。

現場で見られるキーのトラブル

キー溝のガタとフレッチング

キーまわりでよく見られるトラブルが、キー溝のガタです。

トルク変動や正逆転が繰り返されると、キーと溝の接触面で微小な滑りが発生し、赤茶色や黒っぽい摩耗粉が出ることがあります。

これはフレッチング摩耗と呼ばれる現象で、放置すると溝幅が広がり、キーがさらに動きやすくなります。

一度ガタが大きくなると、衝撃荷重が増え、キーやキー溝の損傷が加速します。

キーの打痕・めくれ・塑性変形

分解時にキー側面に強い打痕がある場合や、角部がめくれている場合は、面圧が高かった可能性があります。

単に新しいキーに交換するだけでは、同じ条件で再発することがあります。

トルク条件、キー長さ、ハブ幅、はめあい、軸とハブの材質、組付け状態を確認し、必要に応じて設計を見直します。

保全時の確認ポイント

キー部を点検するときは、キー単体だけでなく、軸溝とハブ溝の両方を確認します。

  • キー側面に打痕や塑性変形がないか。
  • キー溝の幅が広がっていないか。
  • キー溝底にクラックや加工傷がないか。
  • ハブとのはめあいにガタがないか。
  • 分解前にマーキングし、位相ずれが起きていないか。
  • 締結部品や止めねじが緩んでいないか。

キーは小さな部品ですが、損傷すると設備停止につながります。

異音、振動、バックラッシュ増加、位置ずれが出ている場合は、キーまわりの点検も候補に入れると原因を見つけやすくなります。

まとめ

キーの強度計算では、せん断応力と面圧応力を分けて考えることが重要です。

平行キーのせん断応力は、せん断面積をキー幅 b とキー長さ L で考えるため、\tau = \dfrac{2T}{dLb} で求めます。

一方、面圧応力は、キー高さ h の半分程度が有効に接触すると考え、p = \dfrac{4T}{dLh} で評価します。

つまり、せん断応力では b、面圧応力では h を使います。

設計では、トルクをN・mmに換算し、軸径、キー幅、キー高さ、キー有効長さをそろえて計算します。

そのうえで、せん断側と面圧側の安全率を別々に確認し、低い方を基準に設計を見直します。

キーは単純な部品に見えますが、トルク伝達、面圧、摩耗、ガタ、応力集中が関係する重要部品です。

計算式だけで終わらせず、実際の荷重条件、組付け状態、保全時の損傷状況まで含めて確認することが、信頼性の高い回転機構設計につながります。