パッケージ型インフラ輸出については日立やJR東日本の取り組みが紹介されていて、今後の日本の経済的成長について希望を持てるような内容だった。単品販売のコストだけでは勝負できないので、運用ノウハウや保守、周辺サービスなど包含的にパッケージ化してこそメリットが出せるのだろう。
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以下、読書での私的メモ。
現在、注目されている「パッケージ型インフラ輸出」の一つに、鉄道の海外輸出がある。
世界の鉄道マーケットは、西ヨーロッパやアジア大洋州を中心に、平均2.5%で成長し、20年に22兆円規模に伸びると予測されている。
『ジャベリン』を通して、信頼性の高さを証明できたのが、一番のポイントだと思います。11年2月に『ジャベリン』は、無故障走行距離26万kmを記録し、全英の電車の中で最高の信頼性を実現しました。英国の鉄道の無故障走行距離の平均が4.6万kmということからも、『ジャベリン』の信頼性がいいか、おわかりいただけると思います。
「環境変化のメガトレンド」の第一点は、「人口増加」と「都市集中化」だ。この二点は、とくに新興国で顕著であるという。
11年10月末、世界の人口は、70億人を突破した。今後もアジア、アフリカを中心に増え続け、50年にはこれらの地区の人口はさらに1.5倍に膨らむとみられている。その頃、世界の人口は、91億5000万人になる。とりわけ新興国では、都市への人口流入が加速している。都市集中化だ。1950年に29%にすぎなかった世界の都市人口は2009年に約50%まで上昇した。
インフラ系のビジネスは、ゼロから始めたら時間がかかるし、市場で認知されて、お客さまを獲得するまでが難しい。だから、すでに市場でプレゼンスを持つ会社を買うわけです。
ダイナミックプライシング
首都圏の電気消費量はイタリア一国分を上回る
安定した高品質の電気が求められるのは、とくに産業用の電気である。なかでも製造業において、周波数の変動は、製品の品質や工程に影響を及ぼす。日本の産業は、世界最高水準の電気のほか、停電が少ないといった高い信頼性によって、支えられている。
JR東日本は、世界の鉄道と比較して、三つの特徴的要素がある。
第一に、駅、車両、軌道のほか、電力供給、信号、ITシステム、土木構造物など、鉄道インフラのすべてを保有する、完全統合型の鉄道モデルを構築している。そして、オペレーションやメンテナンスも行なっている。
第二に、鉄道に関わるエネルギーシステムをすべて保有しており、供給側と需要側の双方で電力のきめ細やかな制御を実現するなど、スマート化に関する技術やノウハウを提供できる。
第三に、鉄道車両の製造工場「新津車両製作所」を持ち、鉄道車両のライフサイクルのすべてに関与している。