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エンジニアの仕事効率を上げる知識をシェアするブログ/QC統計手法/公差設計・解析/TPS(トヨタ生産方式)

生産工学-トヨタ生産方式

カイゼン実践ガイド!トヨタ式問題解決法

トヨタの「問題解決」とは トヨタの「問題解決」のアプローチは、根本原因を徹底的に探求し、持続可能な解決策を実施することに焦点を当てている。 このプロセスは、「なぜ?」という質問を繰り返し、表面的な症状ではなく、問題の根本原因に到達することを…

「目で見る管理」を効果的に実践するための10個のKPI

「目で見る管理」とは 「目で見る管理」とは、作業現場やプロセスを視覚的に管理しやすくするための方法や仕組みのこと。この手法は、情報や状態を簡単に理解できるようにし、迅速な意思決定を支援することを目的としている。 例として、トヨタ工場の生産ラ…

トヨタ生産方式と標準作業の3要素

標準作業の設定、順守によるメリット 「標準作業」は製造業において極めて重要であり、プロセスを安定化させ、品質を保ちながら効率的に生産を行うための基盤となる考え方である。 1.品質の安定化: 標準作業によって作業手順が明確になり、作業者が一定の…

トヨタ生産方式で学ぶ在庫最小化の4つの前提

トヨタ生産方式における「在庫」最小限化の重要性 トヨタ生産方式において、在庫を最小限に抑えることは極めて重要である。 在庫が少ない状態を保つことで、不要なコストとスペースを削減し、企業の収益性の向上が可能となる。 例えば、自動車部品製造の現場…

トヨタで学ぶ予防保全の実践方法

保全の仕事とは? 「保全」とは、設備や機械、施設などを維持し、その性能や機能を長期にわたって保つことを指す。 これには、定期的な点検やメンテナンス、故障した部品の修理や交換、性能改善のためのアップグレードなどが含まれる。 保全の主な目的は、設…

トヨタ危機管理の核心:9つの特徴と実践事例

コロナショックからいち早く業績回復したトヨタ トヨタの危機管理 どんな時代でも「黒字化」できる底力 作者:野地 秩嘉 プレジデント社 Amazon リーマンショック時には赤字となったトヨタだが、コロナショック時は他の自動車会社に先駆けて業績を回復させ、…

プロセスを不安定にして「問題」を可視化!TPSの革新的アプローチ

トヨタ生産方式における「問題」とは? TPS(トヨタ生産方式)における「問題」とは、製造プロセスや作業工程に生じるムダや非効率、品質の不備、安全性の不足といった、生産性や品質を阻害する要素全般を指す。トヨタでは、これらの問題を積極的に特定し、…

ムダを削減し品質を向上!「モノと情報の流れ図」の魅力

「モノと情報の流れ図」とは 業務カイゼンのツールとしてトヨタが使っているのが「モノと情報の流れ図」である。 これはトヨタ生産方式(TPS)において重要なツールの一つであり、その名の通り、「モノ」の流れと、「情報」の流れを1枚の図にまとめたもので…

トヨタ標語「よい品よい考」とは何か?

『よい品よい考』とは トヨタの工場や関連会社の生産現場で掲げられている『よい品よい考』って、何を意味するのか? トヨタ公式Twitterで以下のような説明がある。 【#よい品よい考 って何❓】トヨタの工場で見られるこの標語は「よい品(しな)よい考(かん…

TPSでは設備改善より動作改善を優先する

TPSにおける改善のアプローチ トヨタ生産方式(TPS)における改善のアプローチは、設備改善よりもまず動作改善を重視するという特徴を持っている。 その背景や理由、そしてプレス成型装置を例にした具体例について説明する。 なぜ動作改善が設備改善よりも優…

トヨタの「問題解決」は現状把握から始める4つのステップ

トヨタの問題解決 トヨタの書類の基本は「問題の解決を考える書類」 トヨタにおいて仕事とは、「方針管理」と「問題解決」である。 では、後者の「問題解決」とは具体的にどういったものなのか。 トヨタの「問題解決」は、同社の持続的な改善文化の核心に位…

TPS「7つのムダ」には2種類ある:事技系職場と生産部門

7つのムダ トヨタ生産方式(TPS)における「7つのムダ」は、製造業において非効率的な作業やムダを最小化するためのキーコンセプトである。 トヨタの工場、生産部門でよくいわれる”作りすぎのムダ”に始まる「7つのムダ」は有名だが、実は事技系職場に向けた…

トヨタの問題解決:「処置」と「対策」の違いについて

トヨタの問題解決アプローチ 「処置」と「対策」の違い トヨタの問題解決のプロセスは、その緻密さと体系的なアプローチで知られている。 特に、問題が発生した際の取り組み方には、2つのキーワード「対策」と「処置」が存在する。 これらは、似ているようで…

トヨタ生産方式(TPS):自働化と自動化の違い

自動化と自働化:その根底にある考え方と実践 製造業における生産の効率化や質の向上を追求する中で、「自動化」と「自働化」という2つの言葉がしばしば取り上げられる。 これらは、似ているようでその背後にある考え方や目的が大きく異なる。 特にトヨタ自…

トヨタ生産方式(TPS)について勉強する時、まず最初に知るべきこと

トヨタ生産方式(TPS)とは トヨタ生産方式(TPS: Toyota Production System)は、自動車業界を中心に全世界の製造業界に大きな影響を与えた生産手法。 トヨタ自動車の製造手法として開発され、ムダを排除し、効率的で柔軟な生産を目指す手法である。 トヨタ…

読書メモ:「トヨタ生産方式の原点」 大野耐一

トヨタ生産方式の原点 作者:大野 耐一 発売日: 2014/02/23 メディア: 単行本 まさに本のタイトル通りトヨタ生産方式の原点について述べられた本。自働化、ジャストインタイムなどの細かなメソッドや実践例ではなく、それが生まれた背景やどのように浸透させ…

トヨタ生産方式における「自工程完結」とは:品質は工程でつくり込む

「品質は工程でつくり込む」(=自工程完結)とは 「後工程はお客様」という考えのもと、後工程には絶対に不良を送らず、一人ひとりの作業の範囲内で品質を点検する考え方を自工程完結といいます。 簡単に言い換えると、自分の作業範囲は自分で品質を保証す…

トヨタ生産方式における「工程の流れ化」とは:細くて速い流れ

工程の流れ化とは トヨタ生産方式では「工程の流れ化」を考えるとき、生産ラインを「細くて速い流れ」にすると表現します。 川の流れが細ければ、何かの障害物でせき止められても、すぐに原因が見つかり、問題が解消すれば、もとのスムーズな流れに戻ります…

トヨタ生産方式における「少人化」とは:「省人化」との違い

少人化による真の能率向上 生産現場において一番重要視されるムダは「つくりすぎのムダ」です。 (トヨタ生産方式の7つのムダの中でも筆頭に挙げられる。) このつくりすぎのムダにより「運搬のムダ」が発生し、保管場所が必要となることで「在庫のムダ」が…

トヨタ生産方式における「標準作業」とは:必要数でタクトを決める

標準作業とは 標準作業とは、人の動きを中心として、ムダのない効率的な生産を行う作業のやり方(=作業のお手本)のことです。 標準作業をつくる目的は、つくり方のルールの明確化であり、改善の道具にするためのもので、「標準のないところに改善はない」…