『よい品よい考』とは
トヨタの工場や関連会社の生産現場で掲げられている『よい品よい考』って、何を意味するのか?
トヨタ公式Twitterで以下のような説明がある。
【#よい品よい考 って何❓】
— トヨタ自動車株式会社 (@TOYOTA_PR) 2021年3月31日
トヨタの工場で見られるこの標語は「よい品(しな)よい考(かんがえ)」と読みます。
社内公募を経て68年前の今日制定されました。
もっといいクルマづくりのために従業員一人ひとりが”よい考え”をひねり出し、”よい品”を安くつくる。
昔も今もその大切さは変わりません💡 pic.twitter.com/wz1sQg47fJ
ツイート日から68年前だと、1953年(昭和28年)に制定されたということになる。
よい品とは
意味:
顧客の要求や期待を超える品質を持つ製品、サービスを提供すること。
トヨタにとっての良い品質とは、以下の要素を持った製品やサービスを指す。
耐久性と信頼性:
車は長い期間、故障することなく安定して走行することが求められる。
トヨタ車は、その耐久性と信頼性で評価されている。
安全性:
事故を防ぐ技術や、万が一の事故時に乗員を守る技術が豊富に搭載されていることは、トヨタ車の大きな特徴である。
環境性能:
燃費の良さや排出ガスの少なさは、環境への負荷を減らすための重要な要素である。
トヨタはハイブリッド技術などでこの点を強化している。
使いやすさ:
車内のデザインや機能、収納スペースなど、日常の使用を考慮した設計がなされている。
総合的なコストパフォーマンス:
初期購入価格だけでなく、維持費や修理費、燃費など、長期的な視点でのコストを考慮した製品の提供である。
これらの要素は、トヨタ自動車が良い品質と定義する基準であり、顧客の満足や信頼を獲得するための基盤である。
よい考とは
意味:
正しい思考や考え方、行動の基盤となる考え方。
継続的な改善や問題解決の姿勢を持ち続けることを指す。
具体例:
トヨタは「現地現物」での確認を重視し、実際の現場で問題を確認し解決策を考える姿勢がある。
また、「カイゼン(改善)」の文化も「よい考」の一部であり、日々の業務の中で小さな改善を繰り返すことで大きな成果を生み出す考え方を持っている。
プレス工程における「よい品よい考」の実践
※プレス工程・・・自動車のボディパーツを形成するための工程の一つで、金属板を大きなプレス機械で成形する。ドア、フェンダー、ルーフなどの部品がこの工程で製造される。
よい品の追求:プレス工程における品質
1.精度の高い成形:
金属板の厚みや材質に合わせて、適切なプレス条件を選択することで、設計通りの形状と寸法を持つ部品を一貫して生産する。
2.表面の品質:
プレス後の部品は塗装工程を経て最終的な製品となるため、表面のキズや凹凸を極力出さないような技術や工夫が求められる。
3.高い生産効率:
品質を維持しつつ、効率的な生産を追求することで、コストダウンや短い納期を実現する。
よい考の実践:プレス工程における取り組み
1.現地現物の確認:
プレス工程の現場で起こる問題や課題を直接確認し、原因を根本から解決する取り組みを行う。
2.カイゼン(改善)活動:
日々の生産活動の中で、少しでも効率を上げる、品質を向上させるための提案や取り組みを行い続ける。例えば、金型の微調整やプレス条件の最適化など。
3.人材の育成:
プレス工程のスキルや知識を継承し、新しい技術や方法を研究することで、次世代の技術者や作業員を育て上げる取り組みを行う。
まとめ
「よい品、よい考」は、単に製品の質を上げるだけでなく、企業文化や働く人々の思考や行動にも影響を与える重要なスローガンである。
トヨタはこれを実践することで、世界中の多くの人々から信頼を得ています。